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株式会社山口木工所 代表取締役 山口 勝さん
1935年名西郡生まれ。名西郡神山町立上分中学校卒業。木材店で勤めた後、59年、山口木材店を創業。67年、閉鎖。68年、山口木工所を創業、社長に就任。
●株式会社山口木工所
1968年創立。
1976年株式会社設立。経机製造、卸。
資本金/1,000万円。
〒770-0804 徳島市中吉野町4丁目40-4
TEL 088-631-9574 FAX 088-631-7112 |
仏壇の前に置く経机や仏具の製造元・山口木工所。業界ではトップクラスに位置し、約240種類の製品を全国400社に卸す。
社長の山口勝さんは高校に入学したもののすぐに退学。「実社会に出て、早く何かをやりたい」とこの業界に飛び込んだ。徳島市内の木材店に住込み、働き始めたという。
ここでの生活は9年間にも及んだが、仕事への取り組みや人間関係のあり方など、さまざまな「厳しさ」を学んだとか。この経験が「今の私の経営を支える大きな力になっている」と温和な表情が引き締まった。
長い住み込み生活に終止符を打ったのは24歳のとき。山口さんの働きぶりを見てか、土地や車を貸してくれる人が現れ、木材店を創業。その9年後、現在の職種に転向した。
きっかけは倉庫を貸していた仏具製造会社の移転だった。当時、自身は借金の保証人となって補償問題を抱えていた。
一方、間近で見ていたさきの仏具製造会社の景気はなかなかのもの。世間には信仰心の厚い人々が多く、需要も多い。「儲かりそうだ」と思い材木店を閉め、明け渡された倉庫で、経机や仏具の製造を始めた。33歳の時だった。
仏具は一般に、唐木と呼ばれる黒檀、紫檀で作られる。唐木は堅く、鮮明な木目が特徴だ。仏具作りの経験者を雇い、自らも技術を学んだ。製造に関わり始めると経机の弱点が見えてきた。
つまり、経机の脚は折りたたみができる構造で、接合する脚側には突起を受けるための「臍・ほぞ」がある。これが木製。木製は堅い唐木に対して弱く、経机に手をついた場合など、ぐらつくこともあり、ほぞの強度を上げ、安定を図る必要があったのだ。
そこで、機械メーカーとほぞの共同開発に乗り出し、平成5年(1993)強化プラスチックとスチール製の部分を完成。
以来、破損することもなく机の折りたたみも簡単になり、売上げも大きな伸びを見せた。近年、ベトナムなどからの安価な輸入製品に押され、国内の業界は厳しい状況にある。
しかし、山口さんは「徳島の高度な木工技術で品質第一の製品作りの姿勢を貫き、不況を乗り越えた」と話す。
修行時代から経営者になった今日まで、早朝に起き、作業場を見回り、前日の仕事のでき具合と製品の品質を自分の目で確かめることを欠かさない。
また、60歳ころからは作業場を業界の人に開放。「技術の共有をし、業界全体の向上を図りたい」との思いからだった。
自らの生活態度を厳しく律し、完璧な製品作りを目指す山口さん。扱う製品が人々の厚い信仰心の対象であるだけに、日々のあり方にも心を配る細やかさが印象的だった。
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