「起業」というのは、そう容易くできることではない。資金の調達、事業計画の組み上げなど、起業するまでの道のりはもちろんだが、立ち上げてからも様々な困難が待っているだろう。
しかし、この人の話を聞いていると、そう難しく考えなくても、自分にもできるかもしれない、という思いが湧いてくる。それほど、自らの「これまで」をサラリと語る人だ。
ソフトウェアの企画、開発などを手がける、株式会社エイペックスの代表取締役、宮田正順さん。
宮田さんが独立、起業したのは平成7年(1995)。
「独立するにあたって反対はなかったですか」という質問に「自分でこうしようと決めたら、あんまり人の言うこと聞かないんで。周りの人が心配するほど本人は心配してなかったんじゃないでしょうか」と言ってのける。
ソフトウェア業界に入った理由もいたってシンプル。高校時代、当時「マイコン」と呼ばれていたコンピューターをおもちゃ代わりに触っていて、「面白い」と感じた。それを職業にしただけ、と。
起業を意識の中に置くようになったのも、高校時代。マイクロソフト社のビル・ゲイツ氏が20歳そこそこで会社を興したとマスコミが取り上げるのを見るうち、単純に憧れ、自分もやりたいと思う気持ちが芽生えた。
大学も、工学部の情報工学科を選び、コンピューターについて専門的に学んだ。将来、起業することを考えて、人脈を広げる努力もしていたという。
大学卒業後、県内最大手のコンピューターソフトメーカー、ジャストシステムに入社し、プログラマーとして働いた。「独立」の二文字は、頭の中から消えたわけではなかったが、仕事が面白く、そのまま7年間サラリーマンを続ける。
独立のきっかけは、年齢。30歳を迎え、その数字が思いを後押しする形になった。
起業してからは、商品の開発はもちろん、営業、経理と、なんでもこなす。経営に関しては「やりたいようにやってるだけなんです。ちょっと特殊なんですけど、モノを生み出す仕事が好きなので、楽しくやってます」と、サラリ。
今後の課題は、もっと広いフィールドでビジネスをしていくこと。地域的な殻を破っていきたいと考えている。
宮田さんに、これから起業をする人たちにアドバイスを伺った。
「あんまり考えてたらできなくなるんで、やっちゃえばいいんじゃないかと思います」。
迷いなく道を歩んできた人の言葉だけに、わかりやすく、心に響いた。
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