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ジョセの家で
  右端がジョセ、左の赤いシャツが私。みんな相当できあがっている。

初めて家に招待される。

 ジョセの家は裕福なようで庭にプールがあった。また、パーティ
ー用に別棟があり、そこに簡易ベッドを用意してくれた。ワインが
いい加減効いていた私はそのまますぐに眠り込んでしまう。

 夜になって起こされると、彼の奥さんと息子に紹介された。軽い
夕食も用意してくれたのだが途中で気分が悪くなる有様で、いくら
飢えていたとしても詰め込むには限度があると反省する。

 久しぶりのシャワーを浴び、久しぶりのベッドでその夜はゆっくり
と眠らせてもらった。次の朝もゆっくりと起きだし、時間をかけて洗
濯をし、落ち着いた午前を過ごした。

 お昼にはまたもや昨日の仲間が集まり、私の泊まったパーティ
ー用の部屋で豪勢な昼食が始まった。どうやらジョセはこの人達
の中心的人物のようだ。

 大きな二つの鍋には野菜と肉を煮込んだ料理が、大きな皿には
魚の料理が、そしてその他にも何種類もの料理が皿に盛られてい
る。どれも意外にさっぱりとした味付けだ。

 当然昨日のようにがつがつはせず落ち着いてポルトガルの家庭
料理を楽しむ。

 私がポルトガルの料理はうまいと絶賛した肉料理については、
ジョセよりよっぽど英語の上手な奥さんが

「それは典型的なアフリカ料理よ」
と教えてくれた。
 食事が終わり、小さなカップに入れたポルトガルのコーヒー、ビッ
カが出る頃には、朝に干した私のジーンズもすっかり乾いていた。

 ジョセの住所を手帳に書いてもらうと、私が唯一持ち合わせてい
る物である「笑顔」と、英語とポルトガル語を混ぜ合わせた言葉で
彼らに別れを告げた。
 
 ポルトガルではもう諦めかけていた人々とのふれあいに最後の
最後で出会えたことは本当に幸運だった。

 10日間も歩いているのに人との出会いがない、言葉が全然通
じないのが大きな理由であるにしても何か私の方法に問題がある
のではないか、と早くもすこし焦り始めていた私の心を充分に落ち
着かせてくれた。

 全てを置き去りにしてお気楽人生を選んだ私だ。いまさら何を焦
る必要がある。

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