女性専門ドックのご案内
この度、下記の1~4のような女性特有の疾患のスクリーニング検査のセットをご用意いたしました。ぜひ、ご利用下さい。
- 甲状腺の触診、エコー検査 [甲状腺肥大、腫瘍]
- 乳房の視触診とエコー検査、またはマンモグラフィー [乳がん]
- 骨密度測定 [おもに閉経後の方の骨粗しょう症の検診]
- 女性内性器の検診 [子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮体がん]
1.甲状腺疾患 [内科医、放射線科医担当]
- 女性の甲状腺疾患は男性の8倍も多く、がんについては男性の2倍である。
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甲状腺エコーにて甲状腺がんの有無を検査します。腫大があれば血液にて甲状腺ホルモンの検査を行います。
注)甲状腺ホルモン検査は別料金になります。
2.乳がん検診 [外科医、放射線科医、産婦人科医担当]
2-1: 乳がんは近年増えています -早期発見のために-(表-1・図-1)
米国では女性の8人に1人は乳がんを患うといわれ、日本でも表1のような危険因子、
食生活の欧米化(動物性脂肪・肥満)や未婚、晩婚に伴って年々増える傾向にあります。
女性10万人当たりの罹患率は平成10年には胃がんの33.7をはるかにこえ43.6とトップとなりました。
これは日本人女性の30人に1人の割りで乳がんに罹ることを意味しています。
また、平成13年の死亡数はほぼ1万人で、胃、大腸、肺についで4番目に高いがんになっています。
2-2: 誰にでもできる自己検診 (図-2・図-3)
自己検診は、手軽にでき、“おかしい”を第一歩として大変有効な手段です。 また、図4のように、毎月定期的にやっていれば、1cmぐらいのしこりを見つけることができるようになります。
- 月経が終わって1週間ぐらいして、また、閉経後の方は毎月一定の日を決めてチェック。
- 触診は指の裏側全体で、胸壁に向かい少しおすようにさすりましょう。 入浴時には、石けんをつけるとすべりが良くなり、しこりを触れやすくなります。
ステップ1(視診)
鏡の前で、両手をあげた姿勢と、さげた姿勢で次のことを観察しましょう。 左右の形、向きは同じか、皮膚にくぼみやひきつれがないか、乳頭に湿疹やただれがないかを観察します。
ステップ2(触診)
肩の下に敷物をおいて、胸を張るようにして、図2、3のような要領でしこりがないか、左右差がないかも調べましょう。 または、入浴時座位にて検査するのも簡単でこちらをお勧めします。
2-3: 触診とエコー検査か、触診とマンモグラフィーの組み合わせによる検診
最近では、どちらかの組み合わせによらなければ死亡率を減らす効果がないことが分かり、 厚生労働相では「視触診」のみの検診は廃止し、40歳以上はX線撮影中心の検診をすすめる新しい指針を発表しています。
この指針に従い当ドックでも、40歳位未満の方にはエコー検査、40歳以上の方にはX線撮影または両方をすすめております。
2-4: 乳房エコーとマンモグラフィーのQ&A
エコー検査
乳腺専用プローブを用いて行います。何の準備もいらず、痛みもなく、10~15分で終わります。 乳腺の密度の高い30~40代の若い人や、腫瘍(かたまり)の検出には適するが、 医師や検査技師の技術の差がでやすい。
マンモグラフィー(X線撮影)
専用のX線装置を用います。40歳代前後、とくに閉経後に適し、 石灰化を含む病変の診断に威力を発揮します。乳房を圧迫し、3~4cmに薄くすることが必要で、 そのために多少圧迫による痛みがありますが耐えられる程度です。
当センターはマンモグラフィー乳房検診精度管理中央委員会の認定施設です。 撮影は委員会認定の女性技師が優しく行なってくれます。 また、判定も複数の認定医によるダブルチェックで正確さを期しています。
被曝の心配はないか?
30歳から40年間、毎年1回撮影を受けても、リスクは無視できるぐらい小さく、もちろん、利益が大きいとされています。
100%見逃しはないのか?
聖マリアンナ医大乳腺外科の福田教授は、「エコーやX線撮影を併用しても正診率は90%程度。 検診には限界があることを理解してほしい。」
(2003.9.18の朝日新聞より)
3.骨粗しょう症
閉経後の女性では、急激に骨量が減少→
大腿骨頸部骨折→ねたきり予防のために
ねたきりの老人数
2000年には約100万人に達し、その20%が転倒などによる大腿骨頸部骨折が原因です。 図5のように閉経を境に、女性ホルモンの欠乏が生じ、骨密度が30~40%も減ります。 現在では、生活指導や予防薬により進行を抑えることが可能になっています。 早めに骨量をチェックすることをお勧めします。 当院では、感度の良い前腕のDEXA法による骨量測定を行なっています。
4.女性内性器の検診 -発見される腫瘍(図-6)- [産婦人科医担当]
4-1: 子宮がん -その原因と-子宮体がんの増加-
頸がんの罹患率
20年前より半減したが、体がんはここ10年間に2倍以上に増えたので子宮がん全体の罹患率は減少せず、 現在でも年間およそ4,700人の死亡があります。この原因は表2のような、体がんの危険因子の増加によります。
頸がん
年に1回定期的に受けておれば、100%完治する異型上皮(前がん状態)や初期がんの状態で見つかります。
体がん
初期より子宮出血が93%以上に見られ、直ちに検査を受ければ、 ほとんどが手術治癒可能な段階で発見されます。 また、閉経前後の月経不順が実はがんの出血であることがときどきあるので注意が必要です。
4-2: 卵巣がん -増え続ける卵巣がん、発見されにくい卵巣がん-
卵巣がんの死亡
例えば、平成13年には6,000人以上が卵巣がんになり、4,151人の死亡があります。 この死亡は毎年100人の割りで増え、表3のようなハイリスク群の増加により、 過去10年間で約1.5倍となっております。
症状
卵巣は子宮の両側にあり、お腹のなかに浮いている状態です。 初期症状は全くといっていいほどありません。ある程度大きくなって、 腫瘍の表面が破れ、腹水がたまり、腹痛や腹部膨満を生じ、 進行してから発見されますので、表4のようなことを守るしかありません。
4-3: 子宮筋腫
子宮筋腫とは
子宮を構成している平滑筋のこぶで、女性ホルモンにより成長します。 閉経後は、成長せず、むしろ縮小します。良性の腫瘍で、女性の3~5人に1人(20%以上)の割合で発生します。 子宮のどこにでも発生しますが、子宮内膜に近いほど症状が強くなります。
子宮筋腫の症状
- 月経異常(月経困難症、過多月経)、子宮内膜に近い(粘膜下筋腫)ほど症状が強い
- 貧血症、ときに心臓の機能障害を引き起こす
- 圧迫症状(排尿障害、便秘、腹痛)、下腹部痛
- 不妊症、流産、早産
手術な必要な筋腫とは?(表-5)
筋腫があるからといって、すべてが手術をする訳ではありません。 経験上、おそらく5%(1/20)前後しか手術適応がないでしょう。 表5に手術の適応をしめすが、十分に納得できるまで医師とよく話し合い、 場合によっては、セカンドオピニオン(第三者の医師の意見を聞くこと。 前医で手術と判定されても、後医では30%は手術不要と判定されたという報告がある程です)を求めるもの良いかもしれません。
4-4: 細胞診(図-7・表-6)
頸がん検診
ほとんど痛みがありません。少量の出血があってもすぐ止まります。 結果は表6のように分類され、それぞれの対策をしまします。
体がん検診
不正出血や、エコー検査で子宮内膜の肥厚(3~5mm)がある場合に選択的に行います。
通常、少量の出血と痛みを伴いますが、多くは耐えることができます。
また、器具の挿入ができず、検査ができないときには、エコー検査でもって代用することもあります。
4-5: 経膣超音波検査(図-8)
検査方法
図のようなプローブ(超音波発振器は先端の計が2cm程度)を膣内に入れて操作します。 5分間ぐらいで、ほとんど痛みを伴わない検査です。少なくとも年に一回程度が理想的です。
どんな症状のとき行うか?
- 月経異常(月経不順、過多月経、月経痛)
- 下腹部の疼痛、しこり、膨満感
- 性器出血
- 不妊症
- 貧血症
どんなことが分かるか?
- 子宮サイズの評価(子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮奇形、子宮発育不全)
- 子宮内膜の疾患(内膜、体がん、内膜ポリープ、内膜増殖症)
- 卵巣・卵管の腫瘍
- 卵巣機能の評価
結果
検査後、写真を提供し説明をします。
さらに詳しい検査としてCT、MRI、細胞診、組織診が必要な場合があります。
ご予約・お問い合わせは下記までご連絡下さい。
女性専門ドックは日曜日、祝日を除く毎日行なっています。
沖の洲病院併設 健診センターTEL: 0120-224-109 / FAX: 088-622-7716