日本痛風・核酸代謝学会による
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン
1. 高尿酸血症診断基準
血清尿酸値が7.0mg/dlを超えるものを高尿酸血症と定義する。性・年齢は問わない。
2. 高尿酸血症の治療開始目標値
男女を問わず、血清尿酸値が8mg/dl以上を治療開始基準とし、6.0mg/dl以下を治療中の目標値とする。
3. 薬物療法の考慮
血清尿酸値が8.0mg/dl以上で、痛風関節炎、高尿酸血症の家族歴、種々の合併症(腎障害、尿路結石、高血圧、高脂血症、虚血性心疾患、糖尿病、肥満など)がある例では薬物療法を考慮する。 また、合併症が内例では、血清尿酸値が9mg/dl以上の例では薬物療法を考慮する。
4. 非薬物療法の併用
治療に際しては、非薬物療法の併用が大切で、食事、運動、体重調節、十分な水分摂取(1日尿量 2リットル以上)が必要である。
5. 高尿酸血症の生活指導
- 肥満の解消
- 食事療法:
摂取エネルギーの適正化、プリン体の摂取制限、 尿をアルカリ化する食品の摂取、 十分な水分摂取(尿量2L/日以上) - アルコール摂取制限:
日本酒1合、ビール500ml、ウイスキーダブル1杯
禁酒日:2日/週以上 - 適度な運動 有酸素運動
- ストレスの解消
〔註1〕 プリン体の多い食品と少ない食品(総プリン体表示)
プリン体含有量 (食品100g当たり) | 食品名 |
---|---|
極めて多い (>300mg) |
鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し、カツオブシ、ニボシ、干し椎茸 |
多い (200-300mg) |
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、サンマ干物 |
少ない (50-100mg) |
ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、ツミレ、ほうれんそう、カリフラワー |
極めて少ない (<50mg) |
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼竹輪、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、ウインナソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、 ジャガイモ、さすまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、ひじき、わかめ、こんぶ |
〔註2〕 尿をアルカリ化する食品と酸性化する食品
〔註3〕 詳細については「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン、第1版、日本痛風・核酸代謝学会・治療ガイドライン作成委員会編、」を参照されたい(79頁)。 本冊子を入手希望の方は、日本痛風・核酸代謝学会(TEL: 03-3597-0394 / FAX: 03-3593-8303)に連絡すると入手可能。