心電図
心電計
1.心電図とは
心電図とは、心臓の筋肉が興奮する(活動する)際に生じる電気変化を記録したものです。
一般に、脳の神経細胞や、筋肉細胞が興奮(活動)すると、電気変化が生じます。
之は、神経細胞や筋肉細胞が生きている「明石」であって、生物電気あるいは活動電流と呼ばれています。
この活動電流を鋭敏な増幅器を用いて記録すると、診断に役立てることが出来ます。
神経細胞の活動電流の記録が脳波であり、筋肉細胞および心筋細胞のそれらはそれぞれ筋電図、心電図と呼ばれています。
正常心電図には一定の波形があり、これが乱れることによりいろんな心臓病の診断をつけることが出来ます。
2.心電図で何が分かるか?
心電図で分かる状態には次のようなものがあります。
- 左室肥大
- 右室肥大
- 心房負荷
- 不整脈
- 心筋梗塞
- 冠不全
- 狭心症
- 心筋障害
- WPW症候群
- 電解質異常(K,Mg,Caなど)
心電図で電解質異常が分かる理由は、心電図は実は心筋細胞膜内外の電解質濃度の差により作られるかです。 WPW症候群というのは、心臓に正常の経路の他に心臓内興奮を伝えるバイパスがあり、このバイパスを通って心臓内を興奮が旋回運動をして、発作性心臓頻拍症と言う不整脈発作を起こす病気です。 この病気について初めて詳しく研究したWoff, Parkinson, Whiteという3人の心臓病学者の名前の頭文字をとって、WPW症候群と呼ばれるようになりました。
下に正常心電図と諸種の異常心電図波形を示します。
正常心電図
諸種の定型的異常心電図波形
下図は不整脈の心電図です。正常例の心電図(正常洞調律)と対比して示してありますので、心拍動の不規則な様子がよく分かると思います。 この不整脈は、脈拍の出現が全く不規則で、絶対性不整脈と呼ばれる心房細動の心電図です。 このような不整脈の人は、左心房内に血栓が出来やすく、脳塞栓症を起こすおそれがありますからワーファリンなどの抗凝血薬を服用する必要があります。
上は正常。下は心房細動。
下図では心電図が全く不規則に出現している。
不整脈にはいろんな種類があり、臨床的に重要な者とそうでないものがあります。 心房細動は重要な不整脈で、治療を行わねばなりませんが、下図に示す期外収縮はあまり心配がいらない不整脈です。 重要な基礎疾患がない期外収縮はあまり心配がいりません。