ホルター心電図(24時間記録心電図)
- ホルター心電図
(電極を装着したところ)
心電図法が心臓の状態を知るために広く用いられています。しかし、通常の心電図が記録される時間は僅かに数分以内に過ぎません。
このような短時間の心電図記録で変化がなかったからといって、心臓に異常がないとは決して断言できません。
また、狭心症のある型(異型狭心症)やある種の不整脈は夜間に好発します。このような状況下の心電図を記録するのは随分大変なことです。
心臓病の人が、日常生活あるいはゴルフなどの運動を どの程度してよいかの判断を必要とする場合、実際の運動時の心電図がどうなっているかを知ることは生活指導を行う上で必要なことす。
ホルター(Holter)というのは米国の物理学者の名前で、1950年頃、24時間心電図記録法を発表し、 その後の電子工学技術の進歩により今日のような臨床的に使用しやすい装置に改良されてきました。 現在、ホルター心電図法は、次の目的に広く使用されています。
- 不整脈の診断、治療効果判定
- 狭心症の診断、無痛性心筋虚血発作の診断
- 自律神経機能の評価
自律神経機能の評価は、24時間心電図記録から、心拍リズムの規則性を判断し、心臓支配神経の機能を評価する方法です。
ホルター心電図記録の解析は、コンピューターによる自動解析結果と次に示すような全波形記録を肉眼で観察し、 必要な部分の実時間記録を行って正確な診断を行う方法の両者が用いられています。
上:ホルター心電図全波形記録、下:実時間記録
徐脈性不整脈で、下図のような長い心停止が記録された例があります。このような例ではペースメーカー植込みが必要です。
11.6秒に及ぶ長い心停止が認められ、ペースメーカー植込みが必要である。