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当院実施の各種検査の意義

肺機能検査(スパイロメーター)

1.換気機能障害の分類

換気機能障害は%肺活量と1秒率とにより下図の如く拘束性肺障害と閉塞性肺障害に大別されます。%肺活量は下式により求められます。

%肺活量 = 実測肺活量 / 予測肺活量 × 100 (%)

予測肺活量

肺活量は、性、年齢、身長の影響をうけるため、これらの値を用いてその人に期待される肺活量を算出します。 そのためには下式のようなBaldwinの肺活量予測式が広く用いられています。

男性
〔27.63-(0.112×年齢)〕×身長(cm)
女性
〔21.78-(0.101×年齢)〕×身長(cm)

実際には、これらの式は内蔵したコンピューターにより自動的に算出されます。


換気機能障害の分類

各種の肺機能の病態と基礎疾患を下表に示す。

分類拘束性肺障害閉塞性肺障害混合性肺障害
病態呼吸運動が拘束された状態気道が閉塞した状態拘束性+閉塞性
解説胸部・腹部を強く締めて
呼吸するような状態
細い管を口にくわえて
呼吸するような状態
両者が合併した状態
疾患胸郭整形術後、胸膜肥厚、胸膜癒着、肺繊維症など肺気腫、気管支喘息、慢性気管支炎肺気腫、気管支喘息、慢性気管支炎

2.喫煙と換気機能障害

1) 我が国における喫煙率

下表に世界における喫煙率を示します。我が国の男性の喫煙率は欧米に比べて著しく高く、女性では低率ですが、20代女性を中心として増加傾向にあります。

国名喫煙率(%)
男性女性
米国19942823
スウエーデン19942224
英国19942826
フランス19934027
タイ1995494
日本199855.213.3

(伊佐山芳郎:現代たばこ戦争、岩波新書、1999)

2) 喫煙習慣と慢性気管支炎有症率(%)

下表に示すように,非喫煙者に比べて、喫煙者では慢性気管支炎罹患者が多く、喫煙者の中では、喫煙本数が増加すると共に慢性気管支炎の罹患者が増加しています。 慢性気管支炎は、閉塞性呼吸機能障害を惹起し、将来、肺気腫に進展する危険が強く考えられます。

年齢(歳)非喫煙者喫煙者
男性女性1~10本/日11~20本/日>21本/日
40~490.92.42.74.27.0
50~591.42.73.58.49.9
60~692.14.97.611.317.5
70~3.47.09.817.519.7

(厚生省編:喫煙と健康、喫煙と健康問題に関する報告書、第2版、保康険同人社、1993)

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