眼底検査
- 眼底カメラ
- 正常眼底(模型図)
正常眼底写真を下図に示します。
- 正常眼底所見
1.高血圧症の眼底変化
高血圧症の際には典型的な眼底変化を示します。眼底所見による高血圧の分類として、Scheie分類が広く用いられています。 Keith-Wagner分類は、内科所見を主として眼底所見との相関を考えた分類法で、現在でも尚広く用いられています。
1) Keith-Wagnerの分類
分類 | 眼底所見 | 全身所見 |
---|---|---|
I度 | 細動脈の狭細と効果が軽度 | 血圧は日中動揺するが、夜間睡眠時は正常 |
II度 | 細動脈の狭細と効果が強い | 血圧は高く、動揺が少ない。 |
III度 | 出血、白斑 | 心臓・腎臓障害 |
IV度 | 乳頭浮腫 | 心臓・腎臓・脳障害 |
2) Scheieの分類
分類 | 高血圧性所見 | 細動脈硬化性所見 | ||
---|---|---|---|---|
第1度 | H1 | 細動脈の狭細が特に 第2枝以下において認められる。 |
S1 | 細動脈壁反射の軽度亢進と軽微な動静脈交叉現象 |
第2度 | H2 | 細動脈の狭細が著明となり、 著しい攣縮を示す口徑不動が現れる。 |
S2 | 記の所見が更に著明となる。 |
第3度 | H3 | 細動脈の狭細と口径不同が 更に著明となり、網膜の出血・滲出の何れか、又は両者を伴う。 |
S3 | 銅線動脈と更に高度の交叉現象 |
第4度 | H4 | 上記の第3度の所見に加えて、 更に乳頭浮腫が加わる。 |
S4 | 銀線動脈 |
(引用文献:田中直彦、所 敬:現代の内科学、金原出版、東京、1990)