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当院実施の各種検査の意義

聴力検査 (オーディオメーター)

1.難聴の分類

  1. 伝音難聴
  2. 感音難聴
    1. 内耳性難聴(迷路性難聴)
    2. 後迷路性難聴
      1. 神経性
      2. 脳幹性
      3. 中枢性

2.難聴の原因

原因病態
1.中毒性難聴ストレプトマイシンなどの薬物、化学物質
2.物理的傷害強大な音響への曝露、長年の騒音への暴露
3.外傷性難聴外耳、中耳、内耳への外傷:頭部打撃
4.原因不明の急性難聴メニエール病、突発性難聴など。
5.先天性(遺伝性)難聴鎖耳、聾唖、内耳・中耳奇形、胎生期母胎感染
6.聴器以外の器官の疾患・異常ウイルス感染(耳下腺炎、麻疹、ヘルペス)、糖尿病
7.原因不明、老化老人性難聴、特発性両側性感音性難聴

3.聴力の生理的加齢変化

上の図は、15~19歳のオーディオグラフを0dB(正常値)とした場合の、各年齢層における聴力の変化を示しており、下記のことが言えます。

  1. 加齢による聴力低下は全周波数領域に見られますが、特に高音域で著明で、低音域では軽微です。
  2. 加齢による聴力低下は、20歳代から既に認められますが、50歳代までは軽度で、50歳以上になると著しくなります。

4.難聴の原因別頻度(岩手医大、1967~1975年、3,481例)

難聴の原因疾患%
100
薬物中毒2.4
音響、騒音5.4
外傷5.8
メニエール病4.9
先天性7.6
中耳炎33.8
他の疾患6.0
原因不明34.2

5.耳鳴

耳鳴は、多くの場合難聴を伴っており、患者にとっての苦痛の程度は、耳鳴の方が難聴よりも著しい場合が多くあります。

6.耳鳴の分類

7.耳鳴例中での難聴例の頻度(939例)

難聴の有無・種類%
難聴なし10.4
難聴あり感音性難聴63.5
伝音性難聴19.2
混合性難聴6.9

8.難聴例中での耳鳴の頻度

難聴の分類例数%
感音性難聴96361.9
伝音性難聴40444.6
混合性難聴12452.4
1,49156.4

9.各疾患での耳鳴の出現率

難聴の分類基礎疾患例数%
感音性難聴メニエール病6581.5
頭部外傷6180.3
薬物中毒14479.2
音響性、気圧性7075.7
老人性20863.0
原因不明20657.3
先天性・家族性2250.0
熱性・眼疾患・妊娠・産褥3046.7
若年性一側性進行性3839.5
伝音性難聴中耳炎後遺症・術後6462.5
耳管狭窄9945.5
急性・慢性中耳炎22139.4

(立木 孝: 新難聴の診断と治療、中外医学社、東京、1986から引用)

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