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朧月纏ひし猫の客と為る

朧月の夜は、何か物語が始まるのにはちょうど良い。
ほら、真っ黒な猫が朧月の下で、能を舞い始めたよ

仰向けに寝てゐる猫や春浅し

以前飼っていた猫は滅多に仰向けになったりしなかった。
ぐっすりと眠っている時だけ、仰向けになった。
今飼っている猫は、しょっちゅう仰向けで寝ている。
そんな猫を見ていると、柔らかそうなそのお腹に触れてみたくなる。

春雷や三つ数へて野辺の石

ピカッと光ってから三つぐらい数えた後、「ゴロゴロ」と音がする。
雷は、かなり遠いらしい。

缶蹴りのカラカラ虚ろ山笑ふ

子供のころ、缶蹴りをよくした。
その音が裏山へ響いていく。

蒲公英の見上げてをりぬ雲ひとつ

タンポポには青空がほんとうによく似合う。
大きな白い雲がひとつ、ゆっくりと動いていればなお良い。

海の香や風も膨らむ春なかば

私の家は、太平洋から1キロぐらいの所にある。
寒い頃はそんなに海の香りを感じることは無いが、
春も半ばになってくると潮の香りが強くなるような気がする。
生き物だけでなく、空気の動きも活発になるのだろう。

目借時故人の夢は時越へて

春の日の白昼夢は、転生の夢かもしれない。

烏来て鳶にもの言ふ四月かな

電柱のてっぺんに鳶が一羽とまっていた。
そこへ一匹のカラスがやってきて、すぐ隣の電線にとまる。
「ええ、お天気でんな。」「ほやなあ、ほんまにええおてんきやな」

蝌蚪に聞け人生如何に楽しいか

いやなことは忘れて、適当に頑張りましょう。

さよさよと子守歌とも竹の秋

春の笹の音は本当にやさしい。

電柱に耳寄す童春疾風

風の強い日、電柱に耳を押し当ててごらん。
目を閉じるとほら、不思議の国に行けるんだよ。

ドレミファソらららスキップ白い蝶

蝶は楽しそうだね。

春愁やこんぺいとうの角丸し

春の愁いは金平糖の丸い角のごとし。

早春のじつと動かぬ朝かな

早春の朝はまだ冬のままだ。
太陽が登り暖かくなってくると、やっと全てが動き出す。

舗装路の下のふるさと春の雷

今は舗装道路だけど、少年時代には草の生えている道だった。
その下に、僕の思い出も眠っているかもしれない。

跳ねるなら天まで跳ねよ春の泥

どろんこ道を少年が駆けて行く。
母にしかられた記憶がよみがえる。

天元に下ろす一石夏近し

「さーっ」と吹き抜けた風は、もう、夏の香りがした。
なにも考えず、第一着を天元に打ち下ろした。