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鯉のぼり畳んだままの志

今年は雨ばかりで鯉のぼりの姿を見なかった。
私の志にもそろそろカビが生えてきたかな

食傷の箪笥の虫や衣更

タンスの中が一新されれば、食欲ももどるかも?

深呼吸夏服空に馴染みけり

さわやかな、5月の風を胸いっぱいにすいこんで・・・

棘多きほどつつましく柚子の花

我家の近隣ではどの家にも柚の木がある。
棘の多い木ほど良い柚酢が取れるらしい。
そういえば、花の香りもこころもち良いような気がする。

紫陽花や少女都会に慣れし頃

紫陽花がリトマス試験紙古都の雨

紫陽花の花を見るたび、中学校の理科の実験を思い出す。
あの色はリトマス試験紙の色によく似ている。
土の酸性度によって紫陽花の色は変わるらしい。

飼猫の齢数へて梅雨寒し

我が家の猫もう何歳なんだろうか?

秋桜の呆けほうけて五月尽

コスモスって秋の花だよね!!

祖母の忌の祖母の業なる蠅叩

僕の婆ちゃん手作りのはえ叩き。とても使い勝手が良かった。
婆ちゃん没後2夏は、使ったように思う。

独り身のこの軽きこと熱帯夜

独身も良いこと有る。

雌蝉の鳴けぬ想ひも蝉時雨

夏真っ盛り。蝉時雨をよおく聞いてみて。
雌ゼミの蝉時雨も聞こえるから。ただし、超音波域だよ。

薄皮となりし想ひ出日焼跡

背中の皮がむける頃には、一夏の恋も終わるのでした。

一生に前世ありけり恋蛍

付きすぎだな。

母川に千の蛍の映りけり

ちょっと大げさかも、でも、数はそれぐらいはいそうだな。

大木を抱くが如し蝉の殻

小さな蝉殻だけど、よく見ると・・・。

油蝉急がば回る暇も無し

蝉はまっすぐ、上に登っては行かない。
斜め上に向かって木をぐるぐると回りながらゆっくりと登ってゆく。
でもアブラゼミの絶え間ない鳴き声を聞いていると、アブラゼミだけは真っ直ぐに登っているように思えてくる。

万緑の返す谺の二度三度

「谺」は「木霊」とも書く、万緑の頃の木霊は、他のシーズンとは
また別の響きを持っているように思えてならない。

躑躅満開今は廃れし遍路道

四国には遍路道が多い。
山越えの、人しか通れないような道は、ほとんど今は使われていない。
だが、昔誰かが植えたのだろうか?躑躅が今とばかりに咲き誇っていた。

蛍の星に紛れてしまひけり

蛍の星にはなれぬ恋心

毎年6月になると、蛍を見ながら母川の岸辺を散歩するのが私の日課になる。
梅雨時なので、星の見える日は少ないが、この日は満天の星空であった。
蛍は、いつもは川縁の低いところを飛んでいるのだが、一匹だけその星空に吸い込まれるように高く舞い上がった。
客観的に一句、主観的に一句、詠んでみた。

竿先を離れし恋の蛍かな

子供の頃よく母川へ鰻を釣りに行った。6月はもっともよく釣れるシーズンで、どきどきしながら釣り糸を垂れたものだ。
そのころは、蛍も今とはくらべものにならないぐらい沢山いた。夜釣りの竿に蛍が止まることさえあった。