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《解説》        < Last update: September 18, 1998 > 


脳神経外科とは?


 医学の進歩は著しく、脳神経外科の分野でも新しい診断法、治療法が開発されてきています。ここでは、最近の脳神経外科領域でのトピックスを中心に、学生、患者、家族の方を対象に、簡単に解説させていただきます。

1. 診断技術

 最近の脳ドックに代表されますように、脳の形態や機能が画像診断で簡単にとらえられるようになってきました。代表的なものに放射線を利用したCTや強力な磁場を利用したMRIがあります。最近ではこれらを利用して脳の血管まで立体的に表示されるようになり、脳血管撮影をすることなしに、脳動脈瘤や血管の狭窄・閉塞などが発見されるようになってきました。

2. 脳血管障害

 “塩分ひかえめ食品”、“家庭での血圧測定”、“即効性・持続性の降圧剤”など高血圧症に対する治療効果により、最近では重度の高血圧性脳内出血の症例は非常に少なくなってきています。それに対し、虚血性脳血管障害(脳梗塞)の患者数は、一段と増加してきています。この脳梗塞の外科的治療法には、狭窄部位の肥厚した血管内膜を剥離切除する方法や、閉塞した血管の末梢側に新たに血管を吻合するバイパス術などがあります。また、急性期の症例には脳血管撮影をしながら閉塞部位にまで細い管(カテーテル)を挿入し血栓溶解剤を直接注入し、閉塞した血管の再開通をはかることもあります。

 脳動脈瘤は、それが破裂すると高い死亡率をもつ、くも膜下出血をきたします。この脳動脈瘤の治療法は従来は外科的に開頭をして動脈瘤をクリップでつまむ手術が行われていましたが、最近では脳血管撮影時に動脈瘤の中にまで特殊な細いカテーテルを挿入し、動脈瘤の内側からコイルによって閉塞する技術も発達してきています。

3. 脳腫瘍

 脳腫瘍に対しても、最近ではCTやMRIで正確な病巣の位置が把握できるようになり、コンピュータで位置を確認しながら手術ができるようになってきました(最近はやりのカーナビのようなもの)。また、3cm以内の小さな腫瘍では、開頭をせずに放射線を多方向から1点に焼き付ける方法(ガンマナイフ)も開発されてきています。

4. 頭部外傷

 重症頭部外傷患者に対しては、急性期の脳保護の意味で低体温療法も一部の施設で試みられています。

5. 機能的脳神経外科

 一側の顔面に激痛が走る三叉神経痛や、一側の顔面がピクピクする片側顔面けいれんのほとんどの原因が加齢とともに屈曲蛇行してきた血管(主として動脈)の神経圧迫であることが判明し、手術によりこの血管を移動して神経圧迫を解除することにより劇的な症状の寛解をみています。

 手足のふるえと共に体が固くなるパーキンソン病では、薬物治療の他、外科的には大脳の一部(視床や淡蒼球)を熱凝固する方法が行われています。また、最近では、パーキンソン病や難治性の疼痛には脳内に電極を埋め込み、経皮的に電気刺激をする試みもなされています。

 ここに、脳神経外科領域のすべての分野・疾患に関しての最近のトピックスを述べることはできていませんが、今後もコンピュータや医療材料の発達と共に、様々な治療法の開発・改良が期待されます。

<それぞれの詳細は、各ホームページをご参照下さい>

                       (文責: 七條文雄)


Access No. = (06/ 8/ 15 - )

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