【ハ】

パイジェッロ(1740−1816)


F・J・ハイドン(1732−1809  オーストリア) 古典派音楽の形成期における最も重要な作曲家で、交響曲や弦楽4重奏曲などのソナタ形式による音楽を確立し、後世への範とした。<交響曲の父>として知られているが、自身が望んでいたほどには、オペラはさほど重要視されていない。ハイドンのオペラは、雇い主であるエステルハージ候の要求によってイタリア語で12曲書かれ、それらの様式は、セリアやブッファなど多岐に渡っている。

作品

祝祭劇/セリア<アチヂとガラテア  Acide e Galatea>(作曲1762 初演1863 アイゼンシュタット)

インテルメツォ<歌姫  La canterina>(作曲1766 初演1767 ブラティスラヴァ)

ドラマ・ジョコーソ<薬剤師  Lo speziale>(初演1768 エステルハーザ)
 フィレープ、ロツォース、カルマール、キンセス、レーヘル(指)/フランツ・リスト室内o. [HUNGAROTON]

ドラマ・ジョコーソ/セミセリア<漁師の娘達  Le pescatorici>(作曲1769 初演1770 エステルハーザ)

ブルレッタ<裏切られて誠実  L'infedelta delusa>(作曲1773 初演1773 エステルハーザ)
 マティス、ヘンドリクス、アンスジョー、バルディン、デヴリン、ドラティ(指)/ローザンヌ室内o. [PHILIPS]
 
ドラマ・ジョコーソ/セミセリア<突然の出会い  L'incontro improvviso>(初演1775 エステルハーザ)
 ゾービー、マースホール、ジョーンス、トリマーチ、ドラティ(指)/ローザンヌ室内o. [PHILIPS]

ドラマ・ジョコーソ/ブッファ<月の世界  Il mondo della luna>(作曲1777 初演1777 エステルハーザ)
 オーガー、マティス、フォン・シュターデ、ヴァレンティーニ・テッラーニ、ドラティ(指)/ローザンヌ室内o. [PHILIPS]

ドラマ・ジョコーソ/セミセリア<変わらぬ誠  La vera costanza>(初演1779 エステルハーザ)
 ノーマン、ドナート、アンスジョー、ガンツァロッリ、ドラティ(指)/ローザンヌ室内o. [PHILIPS]

アツィオーネ・テアトラーレ<無人島  L'isola disabitata>(作曲1779 初演1779 エステルハーザ)
 ゾービー、レーラー、アルヴァ、ブルゾン、ドラティ(指)/ローザンヌ室内o. [PHILIPS]

ドラマ・ジョコーソ/セミセリア<報われた誠意  La fedelta premiata>(初演1781 エステルハーザ)
 コルトバス、フォン・シュターデ、ヴァレンティーニ・テッラーニ、ドラティ(指)/ローザンヌ室内o. [PHILIPS]

英雄喜劇/セミセリア<騎士オルランド  Orlando paladino>(初演1782 エステルハーザ)
 オーガー、アメリング、キレブリュー、シアリー、アンスジョー、、ドラティ(指)/ローザンヌ室内o. [PHILIPS]

英雄劇/セリア<アルミーダ  Armida>(作曲1783 初演1784 エステルハーザ)
 ノーマン、アンスジョー、バローズ、ラミー、、ドラティ(指)/ローザンヌ室内o. [PHILIPS]

セリア<オルフェーオとエウリディーチェ  Orfeo ed Euridice>(初演1791 ロンドン、完全な形での初演1951 フィレンツェ5月音楽祭)
ハイドンがフリーの作曲家になってからの作品で、ロンドンの劇場のために作曲したが、初演は失敗。  
 ドナート、スヴェッセングレーンベルグ、ハーガー(指)/ミュンヘン放送o.&バイエルン放送合唱団 [OREFO]


M・ハイドン(1737−1806 オーストリア) J・Fハイドンの弟。ザルツブルグ大司教の楽団のコンサートマスター。器楽曲や教会音楽を多作。モーツァルトとの交友は有名。

作品

ジングシュピール<アルプスの牧場の婚礼>(初演1768 ザルツブルグ)

<アンドロメダとペルセオ>(初演1787 ザルツブルグ)   



パチーニ(1796−1867 イタリア) イタリアオペラ界においてロッシーニに続く、ベッリーニ・ドニゼッティと同じ世代。80曲を越えるオペラのみならず、標題交響曲や室内楽も作曲したが、上演される機会は少ない。

作品

<アンネッタとロチンド Annetta e Lucindo>(1813初演 ミラノ) デビュー作

<アデライーデとコミンジョ  Adelaide e Commingio>(1817初演 ミラノ)

<Il barone di Dolsheim>(1818初演 ミラノ)

<Cesare in Egitto>(1821初演 ローマ)

<インドのアレッサンドロ  Alessandoro nelle Indie>(1824初演 ナポリ)

ポンペイ最後の日 L'ultimo giorno di Pompei>(1825初演 ナポリ)
 ギメネッツ、タマール、リヴェンク、ボンファッティ、リー、シドローヴァ、カレッラ(指)/カタニア・ベッリーニ劇場o. [DYNAMIC]

<Gil Arabi nelle Gallie>(1827初演 ミラノ)

<Il cotestabile di Chester>(1829初演 ナポリ)

サッフォー  Saffo>(1840初演 ナポリ)
 ゲンジェル、キリコ、マチウッチビアンコ、カプアーナ(指)/ナポリ・サンカルロ劇場 [ARKADIA]

マリア=チューダー Maria Tudor,,Maria Regina d'Inghilterra>(1843初演 パレルモ)
 ルイス、バラデス、スミス、パリー(指)/イギリス交響楽団
 Miriciou,Ford,Plazas,Fardilha,Miles,Parry(cond)/Philharmonia  [Opera rara]

<メデア  Medea>(1843初演 パレルモ)

<キプロスの女王  La regina di Cipro>(1846初演 トリノ)
             



ハッセ(1699−1783 ドイツ) ナポリでA・スカルラッティらに学び、イタリア各地で作曲家として成功する。1731年、ドレスデンの宮廷楽長に迎えられ、ナポリ楽派様式のオペラを上演。他に教会音楽や器楽曲を多数作曲している。歌劇は56曲、インテルメッツォが13曲。

プリアモとティスベ Priamo e Tisbe>(初演1768 ウィーン、改訂版’70 ウィーン)
 Schlick,Monoyios,Jochens,Schneider(con)/La Stagione [CAPRICCIO]



バルトーク(1881−1945)
ビゼー(1838−1875)
ピッチンニ(1728−1800)
ピチェッティ(1880−1968)


フィービヒ(1850−1900 チェコ) ドヴォルザークやスメタナと同様にボヘミア国民楽派のよう扱われているが、作風はドイツロマン派的で、ワーグナーの影響が強い。3曲の交響曲、10曲あまりの室内楽曲、376曲からなるピアノ曲集「気分、印象、思い出」など多数のピアノ曲、170曲あまりのドイツリートなど、オペラは7曲。

作品

<ブコヴィーン>(1874初演 プラハ)

<ブラニーク Op50>(1881初演 プラハ)

メッシーナの花嫁>(1884初演 プラハ) ライトモチーフの使用など、ワーグナー的な作品。
 マーロヴァー、ティーテク、ジーデク、ベニャチコバー、イーレク(指)/プラハ国立劇場管弦楽団

<あらし>(1893〜94作曲)

シャールカ Op51>(1897初演 プラハ)
 ディエポルトヴァー、プジビル、ランドヴァー、ジーテク、シュティッフ(指)/ブルノ国立管弦楽団

<ヘディ>(1896〜97作曲)

<エルコナの没落>(1896作曲)


フォーレ(1845−1924)
ブゾーニ(1866−1924)
G・プッチーニ(1858−1924)
プフィッツナー(1869−1949)
フランク(1822−1890)
プーランク(1899−1963)
プロコフィエフ(1891−1953)
フロートー(1812−1883)
フンパーディンク(1854−1921)


ベッリーニ(1801−1835 イタリア) シチリア島出身父親はオルガニスト。ナポリ音楽院在学中より教会音楽や器楽曲を作曲する。叙情性あふれるメロディーと美しい和声によって、イタリア・ロマン歌劇の開拓者となった。

作品

アデルソンとサルヴィーニ  Adelson e Salvini>(作曲1824−5、改訂’26 、初演1825 ナポリ)
 ウィリアムズ、ナーフェ、pレヴィアータ、トミチック、リカータ(指)/カタニア・ベッリーニ劇場 [NUOVA ERA]

<ビアンカとジェルナンド  Bianca e Gernando>(初演1826 ナポリ)
<改訂版:ビアンカとフェルナンド Bianca e Fernando>(改訂版1828 ジェノヴァ)
 リッチャレッリ、ホーン、メリット、サージャン、レンツェッティ(指)/ロンドン・オペラ管弦楽団 [FONIT CETRA]
 シン、クンデ、トミチック、カフォーリオ、リカータ(指)/カタニア・ベッリーニ劇場 [NUOVA ERA]

海賊  Il Pirata>(初演1827 ミラノ・スカラ座)
 カバッレ、ラーボ、カップチッリ、ジグーリア(指)/フィレンツェ五月祭o. [MELODRAM]
 カラス、フェッラーノ、エーゴ、ペーターソン、レッシーニョ(指)/アメリカン・オペラ・ソサエティo.&Cho [DIVA]

異国の女  La staniera>(初演1829 ミラノ・スカラ座)
 スコット、チオーニ、トゥリマルキ、ジーリオ、サンツォーニョ(指)/パレルモ大劇場 [MELODRAM]

ザイラ  Zaira>(初演1829 パルマ)
 リッチャレッリ、アライモ、バーガス、パパドヤーコウ、オルミ(指)/カタニア・ベッリーニ劇場 [NUOVA ERA]

カプレーティ家とモンテッキ家  I Capuleti ed i Montecci>(初演1830 ヴェネツィア)
 グルベローヴァ、バルツァ、ハウエル、ムーティ(指)/コヴェントガーデン王立歌劇場 [EMI]

夢遊病の女  La sonnambula>(初演1831 ミラノ)
 カラス、コソット、ザッカーリア、モンティ、ヴィオットー(指)/ミラノ・スカラ座 [MELODRAM]
 アリベルティ、アラー、ダルテーニャ、コボス(指)/ベルリン・ドイツオペラ [RCA]

ノルマ Norma>(初演1831 ミラノ・スカラ座)
 カラス、コレルリ、ルートヴィッヒ、ザッカリア、デ・パルマ、セラフィン(指)/ミラノ・スカラ座 [EMI]
 スリオッッティス、モナコ、コソット、ヴァルヴィーゾ(指)/ローマ・サンチェチーリア音楽院 [L]
 カラス、スティニャーニ、サザーランド、ピッキ、グイ(指)/コヴェントガーデン王立歌劇場 [DIVA]

テンダのベアトリーチェ Beatrice di Tenda>(初演1833 ヴェネツィア)
 ゲンジェル、オンキーナ、ツァナーシ、グイ(指)/ヴェネツィア・フェニーチェ劇場 [NUOVA ERA]

清教徒  I puritani>(初演1835 パリ)
 <パリ版>一般に流布している版。ただし現行になるまでには、何回か手を入れている。
 <ナポリ版>ナポリからの注文に対して、新たに作曲する時間の無かったベッリーニが、パリ版を改訂することで 切り抜けようとした版であるが、結局は在命中は演奏されなかった。劇場の歌い手に合わせた改訂なので、声部が変わったりするなどして、両者では、曲想は、全く異なったものになっている。イタオペとしては、パリ版のほうが、断然おもしろいと思う。
 カバリエ、クラウス、マヌグエッラ、ムーティ(指)/フィルハーモニアo.&アンブロジアンオペラcho [EMI]
 フレーニ、パヴァロッティ、ブルスカンティーニ、ムーティ(指)/ローマRIA [OPERA D’ORO]
 リッチャレッリ、メリット、カルモーナ、スカンディウッチ、フェッロ(指)/シチリアSO  [FONIT CETRA] ナポリ版



ベートーベン(1770−1827 ドイツ) 経歴等についてはこの場で述べる必要もないだろう。完成されたオペラはただ1曲だけ。器楽曲にたけたベートーベンにとって、オペラは手になじまないジャンルだった。しかしながら、当時の風潮として、オペラがが書けてこそ一人前の音楽家であるとされていたから、ただ一曲のために多大な労力を費やした。実に三回も改訂を行い、タイトルも変更し、その序曲に至っては四曲(レオノーレ第1、2,3番、フィデリオ序曲)も作曲している。(ホグナング音楽祭のCDにはレオノーレ第四番という曲があるが、これは冗談)
 ナポレオンがヨーロッパを荒らし回っていたこの時代には、ケルビーニを初めてして、救出オペラが流行しており、ベートーベンのその流れを汲む。
 初演は、ナポレオンの軍隊がウィーンに入城していたときに行われ、そのせいがあってか失敗。第二版も自身気に入らず、第三版フィデリオで世に出ている。
 どの版がおもしろいかとなると、私にはよくわからない。ただ演奏優先となると、フィデリオがよく練れていておもしろいのではないか。

作品

レオノーレ  Leonore 第一版>(作曲1804−05、初演1805 アン・デア・ウィーン劇場)
  アダム、モーザー、リーダーブッシュ、ドナート、ブロムシュウテット(指)/ドレスデン・シュッタツカペレ(BERLIN Classics)

レオノーレ  Leonore 第二版>(作曲1805−06 初演1806 アン・デア・ウィーン劇場)
  コバーン、ベーカー、ボネット、ラフォン、サウストロット(指)/ベートーベン・ホールo.(MDG)

フィデリオ  Fidelio 第三版目になる>(作曲1814 初演1814 ケルントナートーア劇場
  タルヴェラ、アダム、キング、ジョーンズ、クラス、マティス、シュライヤー、ベーム(指)/ドレスデン・シュッタツカペレ(DG)
  フラグスタート、キプニス、メゾン、ヒューン、ワルター(指)/メトロポリタン歌劇場(NAXS) 1941/2/22ライヴ ワルターと言うと、落ち着いた演奏とのイメージがあるが、これはとてつもなく熱気のある演奏で、進むに連れて狂乱的にまでなってゆく。壮年期のワルターは血の気が多かったのだ。
  フルトヴェングラー(指)  LP
  クナッパーツブッシュ(指) LP


ベルク(1885−1935)


ペルゴレージ(1710−1736) ナポリ楽派の前古典派時代の代表的音楽家。オペラブッファの成立に決定的役割を果たした。多くの教会音楽や器楽曲を作曲したが、26才で早世したために、死後に多くの偽作が出回った。教会音楽の中では、スターバトマーテルが傑出しており、胸を病んで修道院に籠もって作曲を続けていたが、この曲を書き終えるとまもなく息を引き取った。

<恋いにおちいった兄と妹>(初演1732 ナポリ)オペラブッファ

<尊大な囚人>(初演1733 ナポリ)オペラセリア

奥様になった女中 La serva padrona>(初演1733 ナポリ)<尊大な囚人>のインテルメツォとして同時上演。オペラブッファの先駆をなす傑作。モーツァルトのブッファや、ヴェルディのファルスタッフに繋がっていく。

<ずるい田舎女−リヴィエッタとトラコッロ−偽のポーランド人>(初演1734 ナポリ)<シリアのアドリアーノ>のインテルメツォとして同時上演。



ベルリオーズ(1803−1869)
G・A・ベンダ(1722−1795)
ヘンデル(1685−1759)
ボイエルデュー(1775−1834)
ボイート(1842−1918)
ボロディン(1833−1887)
ポンキェッリ(1834−1886)
 



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