古楽器演奏について  

             

 どちらもモーツァルト。K617のほうはクラリネットの入った曲集で、1枚目がヴァイオリンソナタK380,K378,ピアノトリオK496をクラリネット四重奏曲に誰かさんがアレンジしてOp79として出版した物。2枚目が3台のバセットホルンによるK439b、3枚目はバセットクラリネットによる五重奏曲とコンチェルト、四枚目は三台のバセットホルンによるモーツァルトとアントン・シュタットラーの小品集。ピリオド楽器ではあるが、バセットホルンの低音には、初めて聴いたときにはどんな楽器の音なのかわからないほどに驚きました。それほど、従来聞いていた音とは違っていたのです。
 GLOSSAのほうは、セレナードK375とハーモニー用にアレンジされた「魔笛」。こちらの方は、これが古楽器ですと言わんばかりの、スマートとは正反対の音色で、従来の流れるような音楽とはまた違った味わいです。

 バッハ2000を聴いたのですが、アーノンクールやレオンハルトなどは、’60年代から録音していたのですね。最新のコープマンなどとは、演奏方法が違っているのかも知れません。曲の解釈の相違もあるのでしょうが、楽器の演奏方法も研究改良されているはずです。
 管楽器の音色は、モダン楽器とはずいぶんと違っているのですぐにわかります。弦楽器は、ガット弦を張っているし、弓も違っています。演奏時にはビブラートを付けません。声楽もビブラートは付けないし、当時の教会では女声は排除されていました。代わりに、ボーイソプラノが使われていたのです。ハイドンなども、音楽家としての出だしは、ボーイソプラノからです。

            

 ハイドンの名前が出てきたかっらて訳ではないが、交響曲&ホルン協奏曲集(ミヒャエルも含む)。グッドマン/ハノーヴァーバンド(Nimubus)3枚組です。こちらは、ナチュラルホルンのアンソニー・ハルステッドが、いかにも不器用にホルンを鳴らしていて、今まで聴いたナチュラルホルンの中では最右翼。アプ・コスター&ラルキブレッリのCDもありますが、この人はうますぎて、ありがたみがないです。ハノーヴァーバンドの方は、柳の下のどじょうを狙って、モーツァルト、ベートーベン、シューベルトの交響曲を買い続けましたが、後になるほど小粒でした。新しい録音のメンデルスゾーンのユースシンフォニーはさらに面白みがない。

 ホルンのありがたみという点では、バウマンのナチュラルホルンで、ベートーベンのホルンソナタが良いです。

                        

 「街の歌」や「五重奏曲断章」などのベートーベンの初期の室内楽を集めて、古楽器で演奏しているCDなのですが、ホルンソナタは出色です。モダン楽器と違って、ピストンやバルブが無いから、音階自体が満足に出ません。半音階などはまず無理です。そこで、朝顔に手を突っ込んで音を変えるゲシュトプフト奏法と、後は唇だけで音階を作ります。すると、音階ごとに違った音色になります。ピアノや弦楽器のように、同じ音色ではありませんね。
 モーツァルトは、楽器のことをよくわきまえていたから、無理な音は決して書いていません。しかし、ベートーベンは、楽器の性能よりも、自分のメロディを優先していたから、出しにくい音でも平気で書いています。(ちょっと言いすぎですな)バウマンは果敢に難曲に挑戦して、見事な演奏をしています。(00.12.18改訂)



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