オペラ&オペレッタファンタジー ウィーンフィルトップ奏者による


 2001年5月20日、羽ノ浦町コスモホールで開催された演奏会。その興奮というか、感激というか、未だ冷めやらぬ間に書いています。

 出演者  エルンスト・オッテンザマー  Erunst Ottensamer(クラリネット)
       マルティン・ガブリエル  Martin Gabriel(オーボエ)
       ティボール・コヴァーチ  Tibor Kovac(ヴァイオリン)
       シャルロッテ・ライトナー  Charlotte Leitner(ソプラノ)
       足立桃子  Momoko Adachi(ピアノ)

 演奏曲目は、ロッシーニ、モーツァルト、ウェーバー、ヴェルディ、J・シュトラウスなどのオペラとオペレッタから、序曲やアリアを編曲した曲や、ファンタジーなど。(編曲者あるいはファンタジーの作曲者についてのデータはありません)
 この演奏会は、羽ノ浦町とNTTドコモ四国が主催しており、入場料は超破格低料金@500。全く持って有り難いことです多謝。そのせいか、超満杯で、パイプ椅子まで出ていました。

                      

 ステージ両端にも椅子が並べられており、上がってきてくれとの案内がありました。ウィーンフィルの演奏会では、そのようにしているので、徳島でも同様にしたいと、演奏者からの指導があったそうです。お言葉に甘えて、休憩後の後半はステージサイドに上がりました。前半は高校生が全席いたのですが、居づらかったのか消えてしまって、私一人だけでした。あと、席が取れなかった3人組だけ。なんでも、この試みは徳島では初めてらしい。こんな機会などめったにあるものではない。
 ステージ上で聞くと、音は悪いです。ホール自体が、客席めがけて音が出るように設計されているからです。ソプラノの声などは、客席では、「ほんとにマイクを使っていないの?」と家内に尋ねられるほどすごい音量なのですが、ステージ上だとフィルターを通したようにしか聞こえません。横を向いたときには、直接聞こえるから、やはりすごい声量だとわかります。
 演奏者との距離が、ほんの数歩。楽譜だって、自席から読めます。今どこを演奏しているって。指使いなども、斜め後ろだから、よくわかります。プロにこんなに間近に接近できる機会なんてまずないでしょうね。

 オッテンザマーは5年ほど前に、徳島へ来ています。あのときは木管五重奏団でした。ガブリエルもいっしょでした。娘達と聴きに行きました。二人ともクラリネットをやっているからです。あのときに始めて、クラリネットの本物の音が聞けて、感動しました。オッテンザマーの音って、基本的に柔らかいのです。そして、音色が綺麗。茶目っ気があるから、今日の演奏会にも、割れた音をわざと出したりなんかしていたけれど。

 ヴァイオリンのトレモロを聴いたとき、シュランメルを思い出しました。ピアノをアコーデオンやギターを置き換えて、クラリネットをG管にすれば、それでできあがりです。そんな曲もありましたね。
 ソプラノのアリアも、ピアノ伴奏だけでは少し堅苦しいですが、管楽器が付くと、それは楽しい音楽になります。先に書いた、クレッカーにCDがあります。

 帰りには、おきまりのCD販売。もちろん、サインして頂きました。

               

 1枚目は、今日の演奏曲目と重なっています。タイトルも同じ。ピアノの足立さんが楽譜を用意したと書いてあります。ウィーンのメンバーから信用を取っているのですね。将来有望株だ。こちらは、CDに直接4人分のサインを頂いております。
 2枚目は、オッテンザマーのクラリネットで、ブラームスのソナタ。ブラームスの渋い曲をどうこなしているか楽しみだ。

              

 サインを終えて、観客に手を振るオッテンザマーです。端っこに写っているのは、今回NTTドコモ四国の中澤さんですね。今後もこのような演奏会を期待しています。

          

 ツーショットで写って頂きました。この後も引っ張りだこで、写真撮影に答えていました。今回の来日が5回目だそうです。ファンがまた増えたことでしょう。



【参考】
オッテンザマーのCDはNAOXSから出ています。
 シュポアー:クラリネット協奏曲全集 8.550688&8.559689
 ウェーバー:クラリネット協奏曲全種 8.550959
 モーツァルト:クラリネット協奏曲 8.550345(ガブリエルによるオーボエ協奏曲が含まれています)
 他に、フィリプスからモーツァルト、ウェーバー、シュポアーがコリンデービスの指揮で、EMIからはシュミットの五重奏曲が出ています。


【参考】
オペラファンタジーもいろんな演奏のCDが出ています。昔は現代と違って、CDなどの再生装置が無かったから、手軽に楽しめるように、アレンジやトランスクリプトしたのですね。テクニックの見せ場もあるから、聴いていておもしろいですよ。メロディは知っているものが使われているから親しみやすいし。
 ブリチャルディ:フルートのためのオペラ Petrucci(Fl),Pisa(Pf) BONGIOVANNI GB5078
 ヴェルディ:フルートとピアノのためのファンタジー Zagnoni(Fl),Specci(Pf)  FONITCETRA CDC63
 フルートのためのオペラアリアファンタジー Gallois(Fl),Pople/London Festival o.  DGG 445822
 フルートとギターのためのファンタジー Guidetti(Fl),Pagliarini(Guit)  ERMITAGE ERM417
 クラリネットが歌うヴェルディ Carbonaro(Cl),Dindo(Pf)  AGORA AG017
 ホリガー、オペラを歌う Heinz Holliger(Ob) PHL 426288
 バイロイトのホルン奏者によるワーグナー ARTS
 ベント編曲のモーツァルト「魔笛」や「ジョバンニ」などのハルモニイは有名。ベートーベン「フィデリオ」、ウェーバー「魔弾の射手」もあります。
 ピアノによりトランスクリプションやファンタジーはリスト、タールベルクをはじめ、多くの作曲家が手を染めています。


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