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TOSS徳島/悠 浜條信彦
何気なく歌っていた童謡。だけどなぜか気になる歌詞。
言葉を頼りに詩の意味を考えることで,詩の読解への興味が拡がります。
本授業は浜條の授業案に,浜井俊洋氏が代案を提供,実践したものを追試したものである。
授業記録の対象は6年生38人。音楽の時間にこの歌の歌唱指導を受けている。
教材文を印刷したプリントを配布。
教材文 「ちいさい秋みつけた/サトウハチロー」 にジャンプ
指 示 1 全員起立。この詩を1回読みなさい。
・この詩を知っている人?(全員挙手)
・作者は誰ですか? (サトウハハチロー)
・何連からできていますか?(3連)
・意味のわからない言葉はありますか?(もずの声・うつろ・風見の鳥・はぜの葉・入日色)→教師が説明。
もず・風見鳥・紅葉したはぜの葉についてはカラー写真を提示した。
発 問 1 繰り返し出てくる言葉は何ですか。
・誰かさんが
・ちいさい秋
・みつけた
発 問 2 この詩は何がどうした話ですか。
・誰かさんが,ちいさい秋をみつけた話
今日は誰がどんな秋を見つけたのかを考えます。
指 示 2 誰かさんが見つけた秋を赤鉛筆で囲みなさい。
持ってこさせて板書させる。長いもの(例:はぜの葉あかくて)は書き直しさせる。
1 目かくし鬼
2 もずの声
3 秋の風
4 風見の鳥
5 はぜの葉
6 入日色
発 問 3 違うものはどれですか。
1・4は秋に限ったものではないということで却下される。
5も秋に限らずいつでもある,6は単なる色を示しているだけである,という理由で5・6が討論になる。
以下の理由で6「入日色」に軍配があがる。
・1,2連で秋が書かれている場所に対応して。
・1連が「音」2連が「風」となると3連が「はぜの葉」では不揃いである。「色」がいい。
・「はぜの葉」も「ひとつ」も「あかくて」も「入日色」に集約される。
結論 見つけた秋=「もずの声」「秋の風」「入日色」
発 問 4 この詩の季節は次のうちいつですか。
| 夏 | 秋 |
|@ A B|C D E|
@0人A0人B7人C20人D8人E3人
発 問 4 違うものはどれですか。
B夏にはぜの葉は赤くならない。
C秋の初めにはぜの葉は赤くならないし落ちない。
D秋の盛りにはぜの葉は落ちない。秋の盛りでは「見つけた」喜びがない。
E秋の終わりでは小さい秋にならない。
討論は盛り上がるが,CDEは決着がつかなかった。
実際は各連ごとに時期が異なり,どれかひとつに限定することには無理がある。
CDEの3つが正解で,この詩は秋全体を指していると考えられる。
発 問 5 ちいさい秋をみつけた「誰かさん」とは誰ですか。
・作者(サトウハチロー) 25人
・作者以外の誰か 13人
3回も出てくるのが不特定の誰かではおかしい,特定できる人物である。特定できるなら作者本人しかない。
各連の「誰かさん」はすべて同じ人である。
などの理由により作者に軍配があがった。
結論 誰かさん=作者(サトウハチロー)
発 問 6 わたしがみつけた「ちいさい秋」の「ちいさい」とはどんな意味ですか。
・ほんの少しの
・見過ごしがちな
・目立たない
秋の盛りに「目立たない」秋や「ほんの少し」の秋はおかしいですね。もういちど考えてごらん。
「わたしがみつけた( )秋」ですよ。
・わたしだけの
・自分だけの
・とっておきの
・他の人にはわからない
この詩は「わたしがみつけた,わたしだけの秋」をうたった詩なんですね。
説明
サトウハチローさんは幼い頃に熱湯を浴びて大やけどを負っています。
そのため小学校時代は母に背負われて学校へ通っていたようです。
そんな様子ですから外で友達と楽しく遊ぶということも少なかったでしょう。
近所の子どもたちが遊ぶ声をよそに家でぼんやり過ごしていた事も多かったそうです。
そんなハチローを不憫に思った母は自分が通う教会によく連れ出しました。
その教会堂の屋根には風見の鳥があり,ハチローの 好きな光景だったそうです。
大人になったハチローはいつものようにふとんに腹這いになり,まくらの上のノートに向かっていたのでしょう。
ふと顔をあげると,窓の外でハゼの葉が見事に紅葉したのかも知れません。
モズが静寂を破ってけたたましく鳴いたかもしれません。
ハチローはそんな中で幼い頃の自分を思い出しながら,自分だけの秋を満喫したのではないでしょうか。
指 示 3 今日の授業の感想を書きなさい。
(感想例)・私が勝手に考えていた「小さな秋」とは全然違うものでした。
・ひとつひとつの言葉にヒントが隠されていて,解釈するといろんな風景が見えてきておもし ろかったです。
・来年,私も私だけの秋をみつけてみたいです。
・前から好きだったこの歌がもっと好きになりました。
・こうやって詩をあれこれ考えるのは楽しい。
・散歩をしながら「あ,秋だな」みたいなのかと思っていました。
・ハチローさんは子どもの頃から十分に遊べなかったぶん,秋を感じやすくなっていたんだなと思った。
・何気なく歌っていたこの歌にこんな意味があるとは思ってもみませんでした。
今度から今日の勉強を思い出して歌いたいです。 等々
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