日本動脈硬化学会による高脂血症診断基準
および治療ガイドライン(1997)の要点
1.冠動脈疾患の予防、治療の観点から見た日本人のコレステロール値適正域および高コレステロール血症診断基準
| 項目 | 適正域 | 境界域 | 高脂血症 |
|---|---|---|---|
| 総コレステロール(mg/dl) | <200 | 200~219 | ≧220 |
| LDL-コレステロール(mg/dl) | <120 | 120~139 | ≧140 |
〔註〕
- コレステロールが境界域にあっても、他の動脈硬化危険因子の存在によっては治療が必要となる場合がある。
- 冠動脈疾患発症例では厳重な管理が必要であり、治療適用基準値が血清総コレステロール値180mg/dl(LDL-コレステロール値 100mg/dl)以上に設定されている。 コレステロール値が適正域にあっても治療を必要とする場合があることに注意する。
- 血清総コレステロール値よりも、LDL-コレステロール値を参照することが大切である。
- LDL-コレステロールは下式により算出する。
LDL-コレステロール=総コレステロール-HDLコレステロール-1/5中性脂肪
ただし、中性脂肪が≧400mg/dlの場合には算出しない。
2.冠動脈疾患の予防、治療の観点から見た日本人の
高コレステロール血症患者の管理基準
| カテゴリー | 生活指導・食事療法 適用基準 | 薬物療法 適用基準 | 治療目標値 | |
|---|---|---|---|---|
| A | 冠動脈疾患(-) 他の危険因子(-) | LDL 140以上 (TC 220以上) |
LDL 160以上 (TC 240以上) | LDL 140未満 (TC 220未満) |
| B | 冠動脈疾患(-) 他の危険因子(+) | LDL 120以上 (TC 200以上) |
LDL 140以上 (TC 220以上) | LDL 120未満 (TC 200未満) |
| C | 冠動脈疾患(+) | LDL 100以上 (TC 180以上) | LDL 120以上 (TC 200以上) |
LDL 100未満 (TC 180未満) |
〔註〕
- 生活指導、食事療法はA,B,Cすべてのカテゴリーにおいて治療の基本をなすものである。 特にAでは、少なくとも数カ月間は生活指導、食事療法で経過を観察するべきである。 Bでは他の危険因子の管理強化でAに改善される例があることに留意する。
- 薬物療法の適用に関しては、個々の患者の背景、病態を考慮して慎重に判断する必要がある。
- 末梢動脈硬化性疾患、症状を有する頸動脈疾患や脳梗塞など、冠動脈疾患以外の動脈硬化性疾患を有する者は、 冠動脈疾患発症の危険性が高い群として他の危険因子が無くともカテゴリーBに含めて治療する。
冠危険因子
- 加齢(男性では≧45歳、女性では閉経後)
- 冠動脈疾患の家族歴
- 喫煙
- 高血圧(≧140 a/o 90mmHg)
- 肥満 (BMI≧26.4)
- 耐糖能異常(境界型、糖尿病型)
冠動脈疾患
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 無症候性心筋虚血(虚血性心電図など)
- 冠動脈造影で有意狭窄を認める者
3.LDLレベルによる治療指針
| 危険因子・冠疾患 | 治療目標値 | 血清LDL-コレステロール値 | 治療 |
|---|---|---|---|
| 危険因子(-)、 冠疾患(-) | <140 | 140~159 | 生活指導 |
| ≧160 | 薬物療法 | ||
| 危険因子(+)、 冠疾患(-) | <120 | 120~139 | 生活指導 |
| ≧140 | 薬物療法 | ||
| 冠疾患(+) | <100 | 100~119 | 生活指導 |
| ≧120 | 薬物療法 |
4.総コレステロール・レベルによる治療指針
| 危険因子・冠疾患 | 治療目標値 | 総コレステロール値 | 治療 |
|---|---|---|---|
| 危険因子(-)、 冠疾患(-) | <220 | 220~239 | 生活指導 |
| ≧240 | 薬物療法 | ||
| 危険因子(+)、 冠疾患(-) | <200 | 200~219 | 生活指導 |
| ≧220 | 薬物療法 | ||
| 冠疾患(+) | <180 | 180~199 | 生活指導 |
| ≧200 | 薬物療法 |


